10月29日(金)、国際医療福祉大学(成田キャンパス)にて、看護学部・保健医療学部の学生約34名を対象に、『ユネスコ無形文化遺産「和食」を知る』のテーマで出前授業が開催され、和食会議事務局の横田が講師を務めました。
授業の前半(60分)は、「和食」を取り巻く環境について、統計資料を示しながら海外から注目されている「和食」とその一方で国内では米の消費量の減少や食生活における和食文化の実態調査を説明、「和食」がユネスコ無形文化遺産の登録された背景と和食文化が失われつつある現状について確認しました。また、ユネスコに登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」の4つの特徴とそれを支える重要な「だし」「水」「調理法」「発酵調味料」等について解説し、和食文化の保護・継承の重要性と、それを伝えていくのが学生の皆さん一人ひとりであることを伝えました。
更に後半では、和食の要である「だし」の体験学習として、だしの材料の説明のあと、実際に昆布とかつお節でだしをとった吸い物(吸い地)を作り学生の皆さんにその「うま味」を体感してもらいました。
先生を含め学生の皆さんは、「だし」のうま味を十分に感じて頂けた様子で、「おいしい」という声が数多く聞かれ、おかわりする学生も見られました。
最後に学生が記述した授業についての印象的なコメントを紹介します。
・和食には心がホッとするような暖かさがあると感じた。「自然の美しさ」に関して、講師は「日本人には自然に対して敬いや謙虚さがある。それは日本人の気質であり、『いただきます、ごちそうさまでした』という言葉はその謙虚さの表れである」と聞いた時、それこそ、日本人の和食に対する食文化であると感じた。そして、私自身もこれまで以上に「いただきます」という言葉を大切にしていこうと感じた。また、今回の講義で最も印象に残った言葉がある。それは講師の「(作り手が)相手を思う、その手間が味となる。」という言葉である。相手を思う気持ち、それは和食に限ったものではないが、その手間一つ一つを大切に作られたその味は、多くの人の心を和ませるものであると。
(言語聴覚学科2年)
今回の授業の機会を頂きました、山本先生、事務部教務課の倉波様の御協力に感謝いたします。
今後も和食会議では、小中学生から大学生を対象として、和食の出前授業を通じて、和食文化に触れる機会を継続的に実施していく予定です。