ごあいさつ

 2年を超えるコロナ禍は、未だ完全に収束していません。その間に、罹患された方、事業で影響を被った方々、心よりお見舞い申し上げます。

 2022年度もコロナ禍の渦中にあって活動を進めていかなければなりません。また、ロシアのウクライナ侵攻により国際的な政情不安、経済問題が起こっています。このような状況ではありますが、和食会議の使命である「和食」の保護・継承の活動は、休まず一層強力に進めていかなければなりません。

 2023年は「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて10周年となります。更に2025年は和食会議の団体設立10周年にあたり、この年には大阪・関西万国博覧会が開催されます。その時期を目標に定めて、この度「中期ビジョン-2025年に向けて-」を策定しました。2022年度もその方針に沿って活動してまいります。

 次世代への「和食」の継承では、昨年度13,318校の参加があった「だしで味わう和食の日」の企画を、最終目標である20,000校に向け、着実に実施いたします。出前授業も従来の会員講師に加え、日本料理の料理人を対象とした「認定講師制度」を設け、希望校とのマッチングを行います。その他、夏休みには子ども達を対象とした新たなイベント企画も予定しています。

 「和食と健康」をはじめとするシンポジウムや講演会は、リアル、オンラインを柔軟に選択または併用し、会場での参加者交流を実現するとともに、全国に配信します。その他にYouTube等を介して和食会議役員の講演や「和食」に関する映像作品の配信も積極的におこないます。会員の皆様は、ご自身でお楽しみいただくのと合わせて、SNS等によりお知り合いの方々に情報を広く伝えていただきたいと思います。

 11月24日「和食の日」、正月や五節供等の年中行事は、「和食」の普及活動において大切な機会です。ポスター配布や写真投稿等のキャンペーンを実施し、また会員や関係省庁、諸団体と連携し、活動の輪を広げてまいります。

 昨年度、和食会議では「和食とSDGs」検討委員会を設置し、取り組みの検討を行いました。その結果は、本年度以降の各事業に反映してまいりますが、会員の皆様には、趣旨をご理解いただき「和食とSDGs」に関する企画に参加いたきながら、理解を深め、自分自身の課題としてそれぞれの活動に繋げていただきたいと存じます。一緒にできることを見つけ、取り組んで参りましょう。

 本部会は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の保護・継承活動が広がっていくように調査・研究の役割を通して、貢献していきたいと思っております。

 今年度は、「正月行事のアンケート調査」3回目を実施します。また、五節供について、小売店の情報誌や広告などの調査を継続してまいります。

 講演・研修では、2018年から「和食と健康」をテーマに開始したシンポジウムを継続してまいります。和食の良さを科学的な有意性をも加えて、発信していきたいと考えております。

 部員の皆様の積極的なご参加と活発なご提案、ご意見をお願い申し上げます。

 本部会は、子どもたちやその子育て世代を中心に家庭での実践を目的にした「和食」の普及・啓発活動を担っています。

 子どもたちが和食文化を知るきっかけとする「だしで味わう和食の日」の企画は、昨年度は全国で13,318校、310万人の子どもたちが「和食」に触れる機会となりました。今年度は、SDGsの視点からも「和食」を捉え興味・関心を更に高めてまいります。

 会員の講師が行う出前授業は、和食文化・だし・味噌・日本茶・SDGsなど幅広い講座内容で実施いたします。さらに、新しい取組として、子どもたちに体験を通じて「和食」の魅力を伝える親子体験イベントを実施、幼少期の嗜好教育として記憶に残る機会といたします。

 今年度も会員の皆様と「和食」の大切さの発信を進めていく所存です。よろしくお願い申し上げます。

 技・知恵部会は和食文化の保護・継承の中でも特に、実践による技術の伝承及び地域との交流による郷土食の発掘・発信を担当しております。

 昨年は、好評をいただいた「視察・研修ツアー」をコロナ禍の影響で実施することができませんでした。今年度は、長野県で実施しようと検討しています。郷土食材の伝承現場、伝統技術、それに従事する皆さんとの交流など、「知る」・「体験する」視察・研修を実施します。

 次に、料理人による出前授業の実施です。認定料理講師の募集を行い、13名の講師の登録がありました。今年度実際に授業を9都道府県で実施します。

 全国「和食」連絡会議の設置目的は、全国各地で「和食」の保護・継承に取り組んでおられる様々な団体・個人の方々と交流、連携をすることです。

 本年度も新型コロナの状況を見ながら活動を行って参ります。SNSを活用した発信力・相互コミュニケーションの強化を図りながら、“1204「和食」セッション”第8回交流会を12月に開催を予定しております。

 また、多数のご応募をいただいた写真投稿キャンペーンは今年度も継続して実施する予定です。