2019年5月23日(木)13時30分より、一般財団法人キヤノン財団(以下、キヤノン財団)との共催で、調査・研究部会シンポジウム「和食と健康」~腸内細菌・微生物で賢い「食」を考える~を開催致しました。
調査・研究部会にとっては、昨年より開催している科学的なアプローチでのシンポジウムであり、今回は、初めての関西地区(京都)での開催となりました。多くの皆様にご来場頂けるのか、心配しておりましたが、大変多くの皆さんにご参加頂きました。少し大きめの250名収容できる会場を用意致しましたが、話題の腸内細菌・発酵をテーマとしたことから関心も高く、応募は、250名規模となり、会場一杯での開催となりました。
腸内細菌に関する最新の研究は、テレビでも取り上げられる等、多くの方たちの関心の的であり、講演を通して、「わたしたちの腸に共生する腸内細菌は、微生物による発酵・醸造させた日本ならではの調味料・食品を使った「和食」との相互作用により、様々な形でわたしたちの健康状態に関わっていることが分かっています。「和食」と腸内細菌をコントロールすることにより、健康増進や疾病予防に繋がることや、微生物による発酵・醸造が理想的な食生活を作り上げることや、更には、今後の「食」と腸内細菌の可能性について報告を頂きました。
また、伏木会長も交えたパネルディスカッションの中では、和食が健康増進に貢献する食事であることや、エビデンスを持って証明される日も近いのではと思いました。
普段では聞けない、本当に貴重な内容のシンポジウムとなりました。「和食と健康」は、今後もいろいろな角度から取り上げていきたいと思います。
ご報告頂いた研究テーマ
・小川 順 京都大学大学院農学研究科 教授
※微生物と食の温故知新 食の機能を紡ぐ発酵醸造と腸内細菌
四季に恵まれた日本には豊かな微生物資源がある。和食と発酵の深い関連性を紹介して頂いた。
・國澤 純 国立研究法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 センター長
※食と腸内細菌の見えざる関係と健康未来
免疫細胞をコントロールする重要な因子の1つである腸内細菌、その腸内細菌と食(和食)を研究すること
でエビデンスの確立された健康の更なる可能性が見えてくる。