4月3日(水)全国「和食」連絡会議 地域交流会の活動として、埼玉県秩父郡小鹿野町河原沢の河原沢川の河原で、毎年4月3日、月遅れの雛祭りに実施される「オヒナゲエ」(お雛粥)に参加してきました。
和食会議メンバーは会場に8時48分に到着。晴天ですが、まだ肌寒さが残っています。保存会の方々が荷物の運搬など準備の最中でした。河原にはすでに石囲いがあり、お雛様を置く祭壇となる場所には桃や菜の花などたくさんの花が飾られていました。地元のお花屋さんのご厚意だそうで、川の浅瀬にも花が供えられていて、とても明るい風景になっていました。
9時半をすぎると、徐々に撮影や見学者など人が集まり始め、子どもたちと保護者も来ました。子どもたちは一人1合のお米と、おかずになるお漬物などを持参します。早く来た子どもたちと保護者で囲いの中にゴザを敷き、調理の準備を開始。女子はネギやほうれん草、お豆腐など地元の食材を切り、男子は竈に大きな鉄鍋を置きお米を入れ、水を鍋に注いだり、燃料とする薪の準備をしたり、また交代で火の番もします。
お粥とお味噌汁が静かに煮えていきます。調理もなるべく子どもたちが自分たちで行っており、保護者は見守ります。役割分担がしっかりできていて、まさに食育・共食の精神がここにはありました。
暫くしてお雛様とお内裏様が大事そうに抱え運びこまれました。前には桃の小枝を刺した6段重ねの菱餅が供えられました。このお餅は前日に保存会の方がついたお餅だそうで、トチの実やヨモギ入りなど自然の色がきれいな菱餅でした。
お粥と味噌汁が出来上がったら、お椀にもりつけ、最初にお雛様に供えます。そして、子どもたちにも配られ、撮影や見物人にもいただき、御馳走になりました。おかずとなる香の物は、沢庵の古漬けを塩抜きして炒めたもの、金時豆を煮たもの、しゃくし菜漬け、葱味噌、どれも本当においしかったです。特に地元の葱と自家製味噌でその場で作った葱味噌は、シンプルなのにお粥にぴったり、ご飯がすすみました。
早めに食べ終えた子ども達が、河原で遊びだしました。自然の中を駆け回りながらの遊びも今では貴重な体験になってしまうのかもしれません。また、普段とは違う華やかで目に残る風景は、きっと一生忘れないものになるでしょう。午後1時近くなると、徐々に片付けをし今年の「オヒナゲエ」は終わりました。
全国「和食」連絡会議では、今後も全国各地で「和食」の保護・継承に努力されている方々との交流を行ってまいります。