2018年11月25日(日)私どもの会員である日本家政学会食文化研究部会 第31回研究発表大会が、池上大橋にある東京栄養食糧専門学校において開催されました。
冒頭、大久保部会長のご挨拶の後、三名の研究者の発表がなされました。どのテーマも、興味深く、和食の保護・継承に向けて参考になる研究発表でした。
以下、タイトルと内容のご紹介。
※福留 奈美氏(御茶ノ水女子大学期間研究院研究院)
テーマ)牛乳・乳製品をあらわすことばの変遷~明治時代後期から昭和前期にかけての新聞広告を題材に~
概要)牛乳・乳製品は、明治期以降の西洋化とともに日本の食生活に浸透した。いつからどの程度、時代背景の中浸透していったか。その変遷を新聞広告のことばを通して捉えていく。
※手塚 貴子氏(函館短期大学植物栄養学科)
テーマ)和食文化の継承に向けた食教育の一考察~首都圏の高校生1,500名を対象にと下アンケート結果を手掛かりに~
概要)教育現場では、学校給食通じて和食文化を学ぶ機会は多いが、学校給食を終えた高校生は食教育は栄養教育に比べ少ない。食教育の可能性を「和食の文化継承に関するアンケート」を首都圏1,551名の高校生を対象に実施し考察した。
※瀬尾 弘子氏(大妻女子大学短期大学部【非】)
テーマ)女子学生の正月三が日の食生活
概要)ユネスコに「和食」が無形文化遺産に登録され、正月を中心に和食の保護と次世代への継承が大きなテーマとなっている。正月三が日の女子大生136名を対象に食生活の実態を把握し、今後に生かすべく調査を行った。
午後は、私どもの調査・研究部会で2月に実施したキヤノン財団との共催「和食と健康」シンポジウムでも講演を頂いた國澤 純氏(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)による「食と腸内フローラから考えるあなたの健康の近未来」というテーマの講演が行われました。
食文化の発展の基盤は健康に生きることの長年の願いの蓄積でもあります。その意味でも最新の腸内細菌の研究を核とした健康に向けてのお話は興味深いものでした。