12月4日(月)、「全国「和食」連絡会議第3回交流会「1204和食セッション」~次代に繋ぐ和食の集い~が、千代田区のJA共済カンファレンスホールで開催されました。
「和食セッション」は和食文化の保護・継承に関して、和食会議の会員と全国で同じ志を持って活動されている会員以外の方々が情報を共有し、連携することによって、それぞれの行う和食文化の保護・継承活動を国民運動に発展させていくよう2015年より毎年12月4日に開催しています。
本年は、ユネスコ登録時の「和食;日本人の伝統的な食文化-正月を例として-」から「正月」に因んだプログラムとしました。
本年の参加者は167名、13:00に開会、服部議長による開会宣言の後、来賓、和食会議会長挨拶。その後講演が行われ、15:40からワークセッション、17:00に閉会しました。
概要は以下の通りです。尚、「和食セッション」に先立ち和食会議役員と和食会議会員が昼食をとりながら歓談するランチョンミーティングが行われました。
(1)挨拶
●全国「和食」連絡会議議長 開会宣言:服部議長より、「和食」がユネスコに無形文化遺産登録されたこの日(12月4日)を大切に、今後も和食文化の保護・継承に皆で連携して取り組んでいこうとの宣言がなされました。
●来賓挨拶:農林水産省食料産業局食文化・市場開拓課和食室長の五十嵐麻衣子様より、農林水産省と和食会議は食育活動や種々の和食文化普及活動に協力して取り組んでおり、来年ユネスコ登録5周年を迎えるにあたって、更に連携を深めて活動を進めたいとのご挨拶をいただきました。
●和食会議会長挨拶及び役員紹介:伏木会長より、「だしで味わう和食の日」企画の報告と抱負、新たに、五節句を学術的な裏付けをもって食品企業や流通に働きかけ各家庭に普及させたい、そのためには連絡会議に期待するところは大きいとの挨拶がありました。続いて、伏木会長より、江原会長代行、村田副会長、後藤副会長、服部議長の紹介がなされました。
(2)講演
●和食会議顧問 神崎宣武様より「正月行事の謂れ・保護継承の重要性」と題して基調講演が行われました。まつり、歳神様、お歳魂などの言葉の解説を通じて、神人共食、人と人との共食等、正月行事の謂れが分りやすく説明されました。
●江原絢子調査・研究部会長より「和食の保護・継承に関する正月行事と食の実態調査」の概要説明がなされた後、メンバーの日本家政学会食文化研究部会の宇都宮由佳様より報告がなされました。アンケート回答を分析、「正月」の準備、「正月」のお屠蘇・雑煮・おせちの摂取、「正月」のおせちの摂取の3項目に整理し、地域別、世代別、子育ての有無等世帯別に分析した興味深い結果が報告されました。本件調査は、江原部会長、大久保洋子副部会長、宇都宮様、伊尾木将之様、瀬尾弘子様により行われ、2018年春に報告書としてまとめられる予定です。
●櫻正宗株式会社第11代目当主 山邑太左衛門様より「櫻正宗の歴史~灘の酒の発展の歴史とともに」と題して、全国の清酒の三分の一を生産する灘の歴史、その中で果たした櫻正宗の役割が、生産、流通、消費の各側面から分りやすく説明されました。
●西伊豆しおかつお研究会会長 芹沢安久様により「伝統食文化の継承~西伊豆潮鰹」と題して、鰹節より古くからある鰹加工品「潮鰹」の製法を絶やさず継承し、合わせて西伊豆田子の町に活気を取り戻そうとする活動が熱く語られました。
●「ふるさとの台所」復刻を熱望する会代表 畠中智子様より30年前に出版され絶版となっていた郷土料理の書籍「土佐の味・ふるさとの台所」を2016年に復刊し、素材と一緒に販売したり、各種イベントを行ったりと、いろいろな方々との連携により普及している活動内容が、土佐弁を交えながら、面白く紹介されました。
(3)ブース出展
●企業・団体会員によるブース出展があり休憩時間を利用して試食、展示説明が行われました。
㈱にんべん:かつおだしの試飲、㈱角谷文治郎商店:三河みりん・お屠蘇の試飲、紀文食品㈱:「初めてのおせち」取り組みの展示・映像、一正蒲鉾㈱:正月商品の展示・「蒲鉾細工切り」映像、千葉伝統郷土料理研究会:正月郷土料理「かいそう」の試食
(4)ワークセッション
●本年は参加者を4グループに分け、以下の4つのブースを回って説明を聞き、試食・試飲し、出展者と意見交換を行いました。
櫻正宗㈱:日本酒の試飲、西伊豆しおかつお研究会:潮鰹の試食、土佐・ふるさとの台所:田舎寿司の試食と手作り体験、江戸ソバリエ協会:年越しそ ば試食
●ワークセッション会場にて、民輪連絡会議副議長、服部議長より閉会の挨拶があり再会を約して17:00に終了しました。