平成30年8月22(水)皇居外苑 楠公レストハウスにおきまして、平成30年度 第1回普及・啓発部会が開催されました。
今回の部会では、五節供のひとつである「重陽の節供」(9月9日)にフォーカスし、講演、菊酒の体験、パネルディスカッションと盛りだくさんの企画を実施しております。
会場には、一般社団法人日本の節句文化を継承する会により、五節供人形が飾られ、華やかな雰囲気の中、後藤部会長による開会の挨拶がなされました。
その後の講演では、「五節供:重陽の節供」をテーマに、当団体顧問 旅の文化研究所所長 神崎宣武様より「重陽の節供」の講演が行われました。
「重陽の節供」は、「菊の節供」とも言われ、原型は中国古代にあり、その後日本に伝わり、平安初期に宮中の儀式としてとり入れられたそうです。しかし、貴族社会の行事であり、一般への認知は薄かったとのことです。
江戸時代、幕府によって五節供が公日として定められ、その中で重陽の節供は最も公的なものとして、城中儀礼として諸大名以下が城へ登り、祝ったそうです。そこで菊酒を飲む習わしが大名層の中で復活したとのことでした。
また、節供に限らず年中行事の多くは、かつては旧暦で行われており、現行の旧暦では、約1カ月遅れの10月初旬ごろに当たるそうです。
現在では、重陽の節供(菊の節供)の印象が更に薄らいでおり、その理由の一つには三月の雛祭り、五月の端午のまつり、七月の七夕のように、子供が行事に絡むことがないからかもしれないとのことでした。
和食会議としては、講演等を通じて日本の文化を学び、次の世代に「和食文化」を継承していく活動が、重要であると感じました。
講演後は、今期の事業の柱である「五節供プロジェクト」の活動報告がなされました。
活動事例としては、株式会社紀文食品、株式会社シジシージャパン、ヤマキ株式会社、日本料理一灯、東京ガス株式会社、エームサービス株式会社の各社より報告され、本プロジェクトを通じて、会員の皆様と共に、和食の喫食機会の拡大を目指していくことを再認識いたしました。
次に、「菊酒の体験」と題し、コーポ幸代表、ミス日本酒顧問 平出淑恵様より、菊酒の体験を通じて考える日本酒文化の活用についてのお話をお聞きしながら、4種類の日本酒に菊の花びらを浮かべて、参加者全員で試飲をしました(アルコールを飲めない方は、甘酒)。
菊の花びらを浮かべた日本酒は美しく、今回使用した「盃」は、会員の日本漆器組合連合会よりお借りした本格的なものです。いつもと違う雰囲気と日本酒の美味しさを感じ会場が大いに盛り上がりました。
更にパネルディスカッションにおいては、当団体 伏木会長にコーディネーターをお任せし、増田副部会長、神崎様、平出様による「重陽の節供~和食と日本酒~」について、貴重なお話をお聞きすることができました。
最後に農林水産省 五十嵐和食室長より来賓のご挨拶を頂きました。ユネスコ登録5周年を迎えるに当たり、現在進めている官民協働の「Let’s 和ごはんプロジェクト」について案内がありました(現在70企業・団体がこのプロジェクトに登録)。このプロジェクトを通じて、忙しい子育て世代に向けて手軽に健康な和ごはんを食べる機会を増やしていく取組を推進していく。是非、会員の皆様にもご協力頂きたいとのお話を頂き部会が終了した。
部会終了後には、楠公レストハウスによる「重陽の節供(菊の節供)」をテーマにした料理を頂きながら懇親会を行い、盛況のうちに終了いたしました。
今回の部会に際し、ご協力・ご協賛いただきました会員様には心より御礼申し上げます。