ベトナムの食文化を未来へ。「 和食」の継承経験を共有する日越交流会

正会員・日本栄養実践科学戦略機構がハノイの食文化・栄養関係者を迎え、フォーのユネスコ無形文化遺産登録申請に向けた準備や、日本の学校給食・食育について意見交換しました。

 

日本栄養実践科学戦略機構における日越交流会の参加者 提供:日本栄養実践科学戦略機構

2026年10月26日、和食文化国民会議の新たな正会員である 日本栄養実践科学戦略機構 (理事長:中村丁次)は、ベトナムの食文化・栄養・教育関係者13名を迎え、和食文化の保護・継承と日本の栄養改善の経験を共有する交流会を開催しました。

ハノイ市ユネスコ協会のTrung Minh Tien会長をはじめ、文化行政、料理、教育、報道などの関係者が来日。日本側からは中村理事長、下村専務理事らが参加し、和食文化国民会議もオブザーバーとして同席しました。

■フォーのユネスコ登録申請に向け、日本の経験に学ぶ
ベトナムでは、国民に親しまれてきた麺料理 フォー(Pho) の食文化について、ユネスコ無形文化遺産への登録申請に向けた準備が進められています。
今回のハノイからの訪問には、2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」が登録された日本の経験を学び、食文化を継承する仕組みについて意見交換する目的がありました。

ベトナムの食文化を象徴する料理の一つ、フォー

ベトナム側からは、「和食」が登録に至るまでの準備、国内での合意形成、登録後の保護・継承活動について質問が寄せられました。日本では行政だけでなく、料理人、食品関連企業、教育関係者、管理栄養士・栄養士、地域社会などが協力して活動を進めていること、和食文化国民会議が「和食の日」の普及啓発や学校での食文化教育、調査研究に取り組んでいることなどを共有しました。

■和食文化と日本の栄養改善の歴史を紹介

「和食文化と日本の栄養の歴史、保存・継承・発展の仕組み」をテーマに講演する中村丁次理事長

中村理事長は、日本が伝統的な食文化を大切にしながら、近代栄養学や栄養教育を取り入れ、国民の健康改善を進めてきた経緯を紹介しました。
ユネスコに登録された「和食」は、特定の料理だけを指すものではありません。旬の食材や自然への敬意、栄養バランスに配慮した食生活、年中行事や地域社会とのつながりなど、暮らしの中で受け継がれてきた食文化です。その価値を次世代へ伝えるためには、継続的に活動する組織と多様な担い手の協力が重要であることが共有されました。

■学校給食と食育にも高い関心
交流会では、日本の学校給食制度についても意見が交わされました。中村理事長は、学校給食が食事の提供に加え、健康づくり、望ましい食習慣の形成、食文化の継承を支えてきたことを説明しました。
学校給食センターの映像を通じて、衛生管理、食物アレルギーへの対応、地域食材の活用などを紹介。ベトナム側からは、ハノイ市での学校給食制度の拡充や食品安全管理の課題が報告され、日本の経験への関心が示されました。

 

食文化を守ることと、栄養・健康を支えること。両者を教育と人材育成を通じて結びつけ、次世代へつないでいく。

■食文化を通じた交流を、これからも

握手を交わすTrung Minh Tien会長と下浦専務理事 提供:日本栄養実践科学戦略機構

日本とベトナムは、それぞれの地域に根ざした豊かな食文化を育んできました。社会や食生活が変化する中で、その価値をどのように未来へつなぐかは、両国に共通する課題です。
今回の交流会は、日本の和食文化継承や栄養改善の経験を共有するとともに、ベトナムの食文化を次世代へ伝える取り組みについて理解を深める機会となりました。

■和食文化国民会議からのメッセージ
和食文化国民会議は、正会員である 日本栄養実践科学戦略機構 の国際交流活動を応援しています。
また、フォーをはじめとする ベトナムの豊かな食文化 が大切に守られ、次世代へ受け継がれていくことを願い、その保護・継承に向けた取り組みにもエールを送ります。食文化を大切にする両国の交流が、今後さらに深まることを期待しています。

■開催概要
開催日:2026年10月26日(月)
会場:日本栄養実践科学戦略機構 会議室
開催団体:日本栄養実践科学戦略機構
参加者:同機構関係者、ベトナムの食文化・栄養・教育関係者13名ほか
主なテーマ:和食文化の継承、ユネスコ無形文化遺産登録、学校給食、栄養士養成、食文化交流