東京都立農業高等学校 出前授業 実施報告

 2025年12月8日に、東京都立農業高等学校にて、3年生35名を対象に出前授業を行いました。テーマは「和食の中の薬膳」と「だしとうま味」です。講師は、和食会議会員・和食文化継承リーダーの管理栄養士・国際薬膳師 阿部美佳様が担当しました。

 調理実習と実験があるので事前に生徒たちと調理実習の準備をし、授業に臨みました。皆さん大変手際よく手伝ってくださいました。
 「和食の中の薬膳」ということで、いつも食べている料理が実は薬膳料理になっているということと、これから調理師になる皆さんは食材の効能を知っておくことで、ほかの調理師とは一味違う切り口でお客様に説明ができ、体調にあったお料理を提供することでお客様も喜ばれるという話を中心に、実際どのように考えていくのかを資料を基にお話ししました。
 実習ではいつも食べている普通の家のご飯で薬膳の効能を考えていただきました。芋ごはん、豚汁(ニンニク入り)、ミカンを皆さんに作って食べていただきました。いつも元気でいるためにはしっかり食べられることが一番で胃腸の調子を調える(健脾)いう働きがあり、日本の発酵食品であるに味噌を使うことにより、その効能が発揮できます。寒さ厳しくなる冬には、豚汁にたくさんの野菜とにんにくを入れることによって体を温めたり、潤いを与えてくれる効能があります。また芋ごはんは、うるち米もさつまいもも、気力を補い(補気)胃腸の調子を調える(健脾)の効能がありパワーがでます。パワーが出ても空回りしないように、香りのよいミカンを食べて気の巡りを良くします(理気)このような説明をして、学生の皆さんに、まずにんにくを入れない豚汁を試食して、後からにんにくを入れてその違いを感じていただきました。皆さんどれも身近な料理だったので、これも薬膳なんだと、薬膳のハードルが下がったように感じました。
 試食後和食と薬膳の共通点などをお話しし、五行の相関図を用いて四季折々、どの様な味、性質、色の食材を使ったらよいかをお話ししました。皆さん積極的にこちらからの質問に答えてくださり活気ある授業となりました。
 
 「だしとうま味」の授業では、皆さんにユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の4つ特徴の中の「栄養バランスがよく、健康的な食生活」を中心にお話をし、ミニトマトを使った実験を取り入れながら学生に実際にうま味を感じていただきました。うま味については、昆布、かつお節、しいたけを中心にだしの取り方、うま味の相乗効果、分類などについて話しましたが、これから世界でも活躍するであろう生徒にどのようなものでうま味成分を代用して、昆布やかつお節、しいたけがないところでもおいしいだしを取ることが出来るかを、講師が海外に暮らしていた経験をもとにお話しさせていただきました。
 受講した生徒は、調理師免許を持ち、これから社会に巣立っていく方なので、幅の広い知識を持ち、お客様の健康増進に一役買ってくださる人材に育ってほしいと思います。またどこにいても、工夫をしておいしい和食を提供してくださることを願っております。

 最後に、今回の企画、準備から当日の運営をサポートいただきました、東京都立農業高等学校の池田先生をはじめ職員の皆様に感謝申し上げます。