2024年 全国「和食」連絡会議 第9回交流会 「1204和食セッション」~次代に繋ぐ和食の集い~ 開催報告(12月4日)

 12月4日(水)、全国「和食」連絡会議第9回交流会「1204和食セッション」~次代に繋ぐ和食の集い~が、千代田区の富士ソフトアキバプラザで開催されました。この「1204和食セッション」は和食文化の保護・継承に関して、和食会議の会員と全国で同じ志を持って活動されている会員以外の方々が情報を共有し、連携することによって、それぞれの行う和食文化の保護・継承活動を国民運動に発展させていくよう「和食」がユネスコに無形文化遺産として登録された2013年12月4日にちなみ、2015年より毎年12月4日に開催しています。
 本年の参加者は会場99名(関係者含む)、オンライン41名の140名でした。13:30に開会、和食会議村田副会長による開会宣言、来賓代表のご挨拶があり、その後二つの講演、伝承技術者表彰、ワークセッションが行われ、16:30に閉会しました。
 当日の模様は一部を除き、準備が出来しだいYouTube配信も行う予定です。

概要
パート1.服部幸應様追悼、開会宣言、来賓紹介、来賓代表挨拶
●はじめに、全国「和食」連絡会議の服部幸應前議長が10月4日に急逝されたことを受け、参加者全員で黙祷を捧げました。村田副会長の開会宣言では、「和食」がユネスコに登録されてから11年の間に海外の和食レストランが5万6千軒から18万軒以上に増え、輸出が4千億円から1兆7千8百億円にまで成長した。これは農水省の努力の成果である。食育企画「だしで味わう和食の日」の参加校も16千校近くまで増えている。和食のブームはとどまるところを知らず世界的に発展を続けている。和食は環境負荷も少なく、健康にもいいということで、ますます伸びていくと考えられ、この伸びをけん引していきたい。と伝えられました。
●来賓として、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室長牧之瀬泰志様、鮫島悠甫様、向川栞様がご出席くださいました。来賓代表として牧之瀬食文化室長よりご祝辞をいただきました。今日でユネスコ登録から11年となる。和食は自然を尊重し、栄養バランスもよく、長寿の支えとなっている。しかしライフスタイルの変化などにより家庭での継承が難しい状況にある。こうした状況のなか、和食に接する機会を増やすことや、保護継承の取組などが重要である。農林水産省としても、国内の保護継承や、海外への魅力発信などをおこなっていきたい。2025年に大阪関西万博が開催され、来日客へ和食の魅力を届ける機会になると考えている。みなさまと「和食」を盛り上げて行きたい。と伝えられました。

【服部議長追悼】
【村田副会長】
【農林水産省 牧之瀬室長】

パート2.講演「食の体験を活かしたウェルビーイング向上プログラム」のご紹介
●小浜市食のまちづくり政策幹の中田典子様より「食の体験を活かしたウェルビーイング向上プログム」と題して講演がありました。小浜市では、真鯛を一人に一尾使った給食を提供し魚の食べ方を学ぶことや、地元産の食材を使った校区内給食、給食の際に生産者を紹介すること、大切な人のために作る料理教室、などについてお話しいただき、後半は、こうした子どもの食育事業の成果をヒントに今年度より開始した次世代リーダー対象の「食の体験を活かしたウェルビーイング向上プログラム」について、二日間の研修のねらい、研修内容や参加者アンケート結果の詳細な分析などについて講演いただきました。

【小浜市 中田 典子 様】

パート3.講演「お料理に合う器の選び方」
●プロダクトデザイナーの矢部慎太郎様より「お料理に合う器の器の選び方」と題して講演がありました。器は合戦が終わると真っ先に買い求められるものであり、平家物語にも土器屋(かわらけや)が登場する。お椀とお碗のちがい、白磁の陽刻皿(ようこくざら)や石川県の珠洲焼の魅力。などについて講演をいただきました。その後に参加者との活発な質疑応答がおこなわれ、七寸の深さのある器が使い勝手がよいこと、などが伝えられました。

【矢部 慎太郎 様】

パート4.伝承技術者表彰
●今回から技術を伝承する人が減っている分野の技術者を表彰する「伝承技術者表彰」をおこない、紀州新家 新家崇元様を表彰しました。村田副会長より「和食をつくるにあたって日本にしかない道具があり、それの伝承が無くなって作れない料理もある。団体や組合のない業種を表彰することを今回から始めた。手打ちのおろし金は素材に合わせてさまざまな形状のものを作る。作品と呼ぶにふさわしい、すばらしいものを作っている。」との新家様ご紹介のあと、表彰状の授与と新家様から「この表彰を機に、さらに精進しておろし金文化を世界に発信していきたい。高齢化により教えてくれる人がいないなか、文化を絶やさないために独学でやってきた。」とのお言葉をいただきました。

【紀州新家 新家 崇元 様】

パート5.ワークセッション 「食器の展示販売」「おろし金展示」「小浜郷土料理試食」
●本年のワークセッションでは、矢部慎太郎様が選んだ食器の展示販売、紀州新家新家崇元様制作の手打ちおろし金の展示、小浜郷土料理「へしこのおにぎり」「雲城水(うんじょうすい)まんじゅう」の試食、がおこなわれ、すべてのプログラムを16:30に終了しました。

【食器展示販売】
【おろし金展示】
【小浜市郷土料理】