三重県立相可高校 出前授業報告

技・知恵部会 副部会長 奥井 隆様からのご報告です。

 三重県立相可高校食物調理科二年生 生徒20数名を対象に、水・鰹節・昆布の特別授業を行いました。午前中9時半からお昼の12時半までという長い授業でしたが、途中休憩をはさみ、熱心に生徒に参加して頂きました。
 水担当は三菱ケミカル・クリンスイが担当。鰹節は地元、鰹節の伊勢和が担当。弊社が昆布担当をしました。今回の授業実現には、相可高校近くにある「Vison(ヴィソン)」の商業施設に3社が出店している経緯があり実現しました。昆布授業講師は ㈱奥井海生堂 奥井社長が務め タイトル「世界に広がる和食 それを支える昆布」として行いました。
 同高校の食物調理科は、2016年5月開催の伊勢志摩サミットでの料理提供や、地元でのレストラン運営で有名な高校です。毎週末には、スーパーで600食のお弁当販売を続けており、大人気で、すぐに完売されるそうです。
 そのような有名な食物調理科は、相可高校の中でも校舎は全く別棟で、立派な階段教室や、什器保管倉庫、調理実習室がいくつも完備された、素晴らしい学校施設でした。
 将来はプロの料理人やパティシエになる夢を抱いた生徒だけに、非常に熱心に聴講して頂きました。昆布の授業は50分。まず昆布の歴史では、北前船交易の話や琵琶湖の水運で京都へ運ばれた話。ユネスコの文化遺産登録で、和食が認定されて十周年を迎える話の中で、海外での和食ブームの紹介。実際弊社がパリやニューヨークで昆布の講演会やイベント開催を数多くしてきた話には、特に熱心に聞いて頂きました。
 最後は、京都の高級料亭で、昔から使用される「藏囲昆布」の話で、京料理が繊細で微妙な昆布の味わいを大切にしてきた歴史を紹介しました。アルコールがまだ飲めない生徒を前に、いつものワインの世界に似ている昆布の世界を紹介する訳にはいかず、昆布の産地別の、ワインのテロワールの話や、「藏囲昆布」とワインのビンテージの話も出来ず、少々苦労して、昆布の品質の違いを説明しました。
 非常に熱心に聴講して頂き、質疑応答では多くの生徒さんから質問を受けました。
料理指導の田中先生は、地元の「伊勢すえよし」という料理店の御主人で、和食文化国民会議、副会長の村田社長の菊乃井赤坂店で四年間、修業時期お世話になったとお話されていました。よほど楽しい四年間だったのか、懐かしそうに思い出されてました。
 熱心に聞いて頂いた生徒さんのお陰で、和食の基本、うま味出しの授業、大成功裏に終える事が出来ました。関係者各位に御礼を申し上げます。