技・知恵部会講演会『「愛知」の豊かな醸造文化』開催報告

 2023年8月2日(水)に会場参加型で技・知恵部会講演会を開催しました。
今回のテーマは、『「愛知」の豊かな醸造文化』でした。当日は、会場に86名(講演者、事務局含む)の会員及び一般の方に参加いただきました。
 はじめに、和食文化国民会議専務理事の稲田潤から開会の挨拶がありました。
続いて、技・知恵部会幹事、小伴天はなれ日本料理一灯の長田勇久氏より、「なぜ愛知県には、八丁味噌や白醤油といった独自の醸造文化が育ったのかを掘り下げたい」との今回の講演会の趣旨説明がありました。
 講演の最初は、「カクキュー」ブランドで有名な合資会社八丁味噌の企画室兼品質管理部長の野村健治氏から、「気候風土と歴史が生み出す八丁町の八丁味噌」と題して講演がありました。八丁味噌を育てた歴史、岡崎の気候風土、地理的特徴、伝統的なこだわりの製法について説明がありました。
 次に、白醤油を製造している日東醸造株式会社代表取締役社長の蜷川洋一氏から「両極の醤油を使い分ける愛知の醤油文化」と題して講演がありました。濃厚な味と色を持つ溜醤油と淡白な味わいに淡い色の白醤油を食材や料理に合わせて使い分ける独特の醤油文化が愛知で生まれ育ったのか解説がありました。

野村健治氏
蜷川洋一氏

 講演の最後は、小伴天はなれ日本料理一灯の長田勇久氏より「愛知の調味料と郷土料理」と題した講演がありました。八丁味噌や白醤油以外にも、溜醤油や三河みりん等の多様な発酵が根付いたのか、気候や作物、塩つくり、海運の良さ、水の良さ等の理由が説明されました。最後に各調味料を使った郷土料理の説明がありました。
 講演後、講演者3名に杉浦味醂株式会社代表取締役の杉浦嘉信氏にも入っていただき、4名によるパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、各自の仕事に入ったきっかけや各社が大事にしていることを語っていただきました。最後に参加者からの質問も取り上げ、講演内容をより分かりやすく、掘り下げました。
 パネルディスカッション中には、八丁味噌の味噌汁と白醤油の吸い地の試飲もしていただき、参加者にも講演内容をより実感いただけたと思います。

長田勇久氏
パネルディスカッション

講演会の動画は、下記URLからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=17ZJLcaJ2kU