杉並区立井荻小学校 出前授業実施報告

 11月29日杉並区立井荻小学校で調査・研究部会幹事、東京聖栄大学准教授の福留奈美氏が講師となり、5年生2クラス、それぞれ2校時(90分)を使って家庭科の授業と連動した出前授業「だしの教室」を行いました。
 授業は、「日本に昔からある伝統的な調味料は?」という質問から始まり、その後、だしの材料となる昆布・かつおぶし(削りぶし)・煮干等と味噌3種を配り、だしとだし食材のテイスティングをしながら子どもたちが楽しく「だし」について学べる内容といたしました。

【体験学習内容】
・「昆布だし」「かつおだし」の味くらべ
まずは、「昆布だし」「かつおだし」をそれぞれ試飲。その後、2つのだしを混ぜ合わせた「合せだし」の味を確かめ、うま味の相乗効果を体験的に学びました。

・昆布とかつおぶしの味見(材料)
だしの材料となるカット昆布とかつおぶし(削りぶし)を味見し、併せて、だしがらの味も確かめました。だしをとる前ととった後のだしがらでは、味わいが全く違い、うま味成分が液体のだしの方に出ていったことがよくわかった様子でした。

・即席合せだし作りと試飲
熱い湯の入ったカップにカット昆布とかつおぶし(削りぶし)を入れて即席の合わせだしをとりました。カップ1杯からでも手軽にだしがとれる方法で、「おいしい、昆布も食べていいの?」と子どもたちはそのおいしさをしっかり味わっていました。

・煮干しの解体
大き目の煮干しを身と骨と頭とはらわたに分け、それぞれを味わいました。はらわたは「苦い!」、身は「うま味が強い!」と、部位による違いに驚いていました。

・煮干だしの試飲とオリジナル味噌汁の試飲
煮干だしのとり方を動画で見た後、煮干だしを試飲。次に、京都の甘い白味噌と給食で使っている赤味噌と淡色味噌の3種を試食。次に煮干だしと即席合わせだしに味噌を好みの配合で溶かして試飲。好みの味に仕上がったオリジナル味噌汁を楽しんでいました。

・だし食材4種の観察
昆布・かつお節・煮干し・干し椎茸の乾物の観察。ギネスにも認定されている世界で一番堅い食品であるかつお節(本枯節)は、現物を初めて見た子どもも多く、触って、握って、興味深く観察していました。

 まとめとして、だし・味噌汁・うま味の振り返りと包丁の使い方、切り方をおさらいし、最後に「和食」の4つの特徴と和食献立の基本の形を学び、授業は終了しました。
 それぞれの体験は、用意した「だしの教室」ワークシートに感じたことをまとめながら行いました。翌週の家庭科の授業では、味噌汁づくりの調理実習が行われ、今回の授業によって興味、理解がより深まることと思います。どんなおいしい味噌汁が出来るのか、家庭科担当の先生も子どもたちもとても楽しみにしていました。