11月24日「和食の日」東京都新宿区立津久戸小学校特別出前授業と和食器を使用した和食給食 実施報告

 令和4年11月21日(月)、東京都新宿区立津久戸小学校、5年生47名を対象に「和食の日」特別出前授業を実施しました。
 特別出前授業は、3・4校時に「和食文化とマナー」「おみそ食べくらべ」をテーマに、和食会議・後藤加寿子副会長と和食会議会員であるマルコメ株式会社・須田信広氏を講師に出前授業を実施。その後、授業視察から来賓としてお招きした農林水産省・文部科学省・東京都教育庁(和食文化、健康教育・食育ご担当者)の皆様と一緒に和食器を使用した和食給食を喫食いたしました。
 「和食文化とマナー」の授業では、講師の後藤副会長から「ごはんとおかずの食べ方」「おはしの持ち方・使い方」「だし(うまみ)」の説明と昆布だしの試飲。そして、後藤副会長が和食文化の中で一番大切にしていることとして「いだだきます」「ごちそうさま」に込められている‟自然への敬い“‟人への感謝”についてのお話がありました。最後に子どもたちからの嗜好についての質問があり、「子どもの頃に和食の味わい、薄味であるだしを味わう体験、覚えておくことはとても大切。濃い味わいの食事ばかりしていると薄い味わいの食事では物足なくなり、濃い味わいの食事ばかり好むようになり、大人になってから健康不安につながります。子どもの頃に覚えた味わいは、大人になっても覚えているので、将来に向けて健康的な食生活を築くためにも、今、和食をたくさん味わってください」との説明に、子どもたちは和食の大切さを感じていた様子でした。
 「おみそ食べくらべ」では、講師の須田信広氏から「みそは使う原材料の違いによって米味噌、麦味噌、豆味噌ができ、仕込む時の原材料の配合の違いによって、辛口、甘口、甘みそができ、熟成の長さによって色、味、香りが変わる」という説明とともに、10種類のお味噌の食べくらべをしました。子どもたちは、それぞれのみそを味わい、楽しそうに感想を述べあっていました。最後に「みそ汁だけでは、主食にならない。ご飯があって、味噌汁があって、おかずがある和食を好きになって、たくさん食べてください」という説明で授業は終了しました。

 和食給食時間では、冒頭、牧田校長先生から、「外国にフォークやナイフを使ったテーブルマナーがあるように、日本に生活する私たちは、きちんとお箸を使い食事をする事は大切なことです。このような機会に和食のおいしさや栄養とともに、行儀・礼儀も一緒に学んでいきましょう」とご挨拶がありました。
次に、来賓を代表して農林水産省の永濵食文化室長より、「今、日本には、世界からいろいろ美味しい食べ物が入ってきて、食べる機会も増えている一方で、和食を食べる機会が徐々に減ってきています。日本は、和食という食文化がありますので、皆さんには、その「和食」を受け継いで未来に残していただきたいと思います。そして、今日の給食をはじめ、食事を作っていただいた方へ感謝しながら食べてください。最後に11月24日は、‟いいにほんしょく“として「和食の日」があります。ぜひ、覚えていただき、24日も和食を食べていただければと思います。」とご挨拶がありました。

 そして児童代表から「今日授業で学んだことを生かし味わって食べましょう」と挨拶の後、全員での「いただきます」の発声とともに和食器を使って和食給食をいただきました。献立は、ご飯、みそ汁、ぶりの照り焼き、おからの炒り煮、野菜の塩昆布和え、牛乳と煎茶、金平糖とボーロでした。子どもたちは、美味しそうに給食を食べていて、おかわりをする子どもたちも多数いました。

 喫食中には、小池東京都知事からのビデオレターが流されました。「日本の大切な食文化である『和食』をもっと好きになってください。そして大人になったら今度は皆さんが、日本の多くの人に、さらに海外の多くの人に和食の魅力を伝えてください」というメッセージに子どもたちは、驚きとともに、真剣に聞き入っていました。
 喫食後、児童代表から「授業での学び、茣蓙を敷いての和食給食等、初めての経験がたくさんできました」という締めの挨拶と、全員での「ごちそうさま」、そして、和食器を自分たちできちんと片付けをして、特別出前授業は終了しました。

 最後に、次世代を担う子どもたちへの「和食」の普及・啓発活動・特別出前授業実施にあたり、ご理解とともに多大なご協力をいただきました、津久戸小学校・牧田校長先生をはじめ職員の皆様、配膳を手伝っていただいた保護者の皆様、ご来賓の農林水産省・文部科学省・東京都教育庁の皆様、和食器の使用から運営に携わっていただいた和食会議会員である、三信化工株式会社様・いただきます.info様・(一社)はしわたし研究所様に改めて御礼申し上げます。