10月14日(金)、花園大学・社会福祉学部児童福祉学科の学生約47名を対象に、『ユネスコ無形文化遺産「和食」を知る』のテーマで出前授業を実施、和食会議事務局の横田・大山が講師を務めました。
授業では、「和食」がユネスコ登録にされた背景と現状を「和食」を取り巻く環境として、海外から注目されている「和食」とその一方で国内では米の消費量減少、「和食」がユネスコ無形文化遺産の登録された背景と失われつつある和食文化について共有。そこから、ユネスコに登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」の4つの特徴とそれを支える重要な「だし」「水」「調理法」「発酵調味料」等について解説。特に、伝統的な食生活を支えてきた“だし”の役割、今後に期待される事について時間を割き、保育士・幼稚園教諭・養護教諭等の資格取得を目指す学生たちに、幼児期の食嗜好教育の重要性、次世代の担い手としてそれを伝えていくのが皆さん一人ひとりであることを伝えました。
最後に、和食の要である「だし」の体験学習として、だしの材料の説明のあと、実際に昆布とかつお節でだしをとった吸い物(吸い地)を作り学生の皆さんにその「うま味」を体感してもらいました。
以下、授業後の学生の感想を紹介します。(一部抜粋)
「海外で日本食がこれほど親しまれていることを知らなかった。伝統的な文化としてだけでなく環境やSDGs、また自分の健康について配慮することができる点においても、大切にしていきたいものである。子どもにかかわる学びの中でどう日本食というものを伝えていくべきかこれから考えていきたい。」
「和食について今まであいまいな認識をしていたので今回の講義で詳しく教わり、和食について、また和食の重要さについて知ることができた。外国の料理と比べて和食はカロリーも低いので健康にも良く健康寿命を伸ばすためにも積極的に食べていこうと思いました。」
「和食の歴史や日本人が大切にしてきた和食についてしっかり学ぶことが出来ました。私たちはもっと、和食という大切な食文化を後世に受け継いでいかなければならないと思いました。だし汁はとても優しい味で体に染み渡りました。寒い冬の日の朝に飲みたいと感じました。」
「和食がユネスコ無形文化遺産に登録されていることをこの授業ではじめて知りました。私は、パンよりご飯が好きで和食も大好きですが、作るのが難しく、どうしてもパンや麺などの軽く食べられる物を食べてしまうので、和食も食べなくてはいけないなと思いました。今回、作っていただいただしを飲ませていただき、昆布と鰹と少量の調味料で作られたとは思わないほどの甘みが感じられ、うまみを意識した料理に子どもたちはもっと触れるべきだと感じました。その為にも、自身もだしをとれるようになりたいと思いました。」
「幼少期の人間の基礎を構築していく時期に、生活習慣や、食に関しては味や塩分、脂質など取りすぎると体に悪いものになってしまうものを適切に摂取できるように食育をすることが大切なのは分かっていました。ですが、大人になるまでに忘れ去られてしまうことだろうとも思っていたのですが、今回の講義を聞いて、幼少期に癖付けや経験をしておくことで、大人になったときに戻しやすい、懐かしさなどがあれば戻りたくなったりできることが分かり、さらにそういった学びの必要性を感じることが出来ました。」
「和食の事について食事と文化の関係性について、知らなかったことを知ることができたし、全体的に色々なことが減少状態になっていることを知ることができた。また、その状態になったことで日本人はもっと文化としての日本食を大切にしていくべきだなと感じた。」
今回の授業の機会を頂きました、千田先生の御協力に感謝いたします。
卒業後、学生の皆さんが専門性を生かしてご活躍されることを期待しております。