毎年、地域で五節供や郷土食にちなんだ行事や、和食文化の保護継承をしている活動団体との交流を実施しております。
今年度は徳島県名東郡佐那河内村での活動との交流を行いました。
主催者の「さなごうちアウトドアクラブ (会長 彦上亜依様 副会長 角田寛子様)は、地元ならではの行事を掘り起こし、地元の歴史的な場所を守り、次世代につなげるために活動している団体です。
今回は9月9日「重陽の節供」で、昔から佐那河内村に伝わる食材を使って行事の形を再現、大人も子どもも地域をあげて実施するために企画しました。
参加者は約30名、当日は和食「連絡」会議のメンバーも参加をし、和食や五節供について話をしました。
【主催者の彦上さんからの当日の様子や感想】
徳島県唯一の村、佐那河内村で、さなごうちアウトドアクラブ(村のお母さん達で作る団体)主催の節供のイベントを開催しました。
今回は、重陽の節供で、栗の節供、菊の節供とも言われているので、栗や、菊も飾りました。
料理は、村の婦人会の中の、たんぽぽというグループが担当してくれて、昔から村でやってきた節供の話しをしてくれました。
メニューは、栗おこわ、ナスの煮びたし、佐那河内村の食材で作る味噌汁、赤紫蘇のムースです。
また、茱萸嚢(しゅゆのう)を作るワークショップを行いました。佐那河内村には藍の神様を祀る神社があり、藍の発祥の地とも言われていますので、佐那河内村で栽培した藍を使って染めた袋に、呉茱萸(ごしゅゆ)の実を入れて作りました。
イベントの結びとして、毎年、旧暦の重陽の節供に例祭が開かれている天岩戸別神社に、参加された方と足を運びました。
今回、子どもたちもたくさん参加し、幅広く3世代の交流ができました。村の節供の話しをこれからの村を担う子どもたちにも伝えることでき、佐那河内村の明日が少し明るくなったように感じました。
【参加者の方々の感想】
・古代米味噌作りに続いて、今年2度目の佐那河内村
食事の際「食べ物にありがとう、元気に食べられる事にありがとう、作ってくれた人にありがとう、頂きます!」と大きな声で言う子ども達になんだかジーンとしてしまいました。感謝を声にするのはいいことだな、と。
・日本の原風景が残る佐那河内村。何かする際には、まず収穫から!世代を超えて(今回は3世代、過去は4世代の時も)一緒に盛り上げていこうと継続しての取組みが素晴らしい。子どもは村の皆で育てる、皆が見守り教え、褒め叱る雰囲気が残っている。ここでは「食育」を改めて授業で行う必要はないと思った。生活の中でできているので
今回の会場となった村の本格的な調理施設では「古代米味噌」「素麺つゆ」「焼肉のタレ」等、村の食材を使いグループごとに各家庭用1年分を手作りされているそう。日頃から村民同士の交流が可能となり、レシピやコツ等が伝え残せることにも感動。
今後も繋がり、活動を広げていける“何か”を模索し続けたい
・日頃から子ども達と活動し慣れている様子が伝わった
・学年が違う子供達同士で、役割分担できている姿が懐かしい雰囲気だった
全国「和食」連絡会議では、今後も全国各地で「和食」の保護・継承に努力されている方々との交流を行ってまいります。