12月4日(金)、三会堂ビルにて全国「和食」連絡会議第1回交流会「1204和食セッション」〜次代に繋ぐ和食の集い〜が開催されました。
和食(日本人の伝統的な食事)がユネスコ無形文化遺産に登録された12月4日に、全国各地で和食文化の保護・継承に取り組む会員以外の方と会合する機会を設け、お互いの情報を共有し更なる発信、拡散や連携の強化を図りました。
【式次第】
14:00 開会挨拶(熊倉功夫 一般社団法人和食文化国民会議 会長)
議長挨拶(服部幸應 全国「和食」連絡会議 議長)
14:25 登壇者活動事例発表
・江頭 宏昌氏(山形大学教授)
「庄内の伝統焼畑農業の持続的取り組み」
山形県内の在来作物を中心とした研究を行う中で、山形県庄内地方の特産品「温海かぶ」の栽培に
伝統的に用いられている焼畑農業について注目し、その保護活動に積極的に取り組んでいる。
・中村 優氏(40creations代表、TEDxTokyo yzスピーカー)
「おばあちゃんのレシピ(おせち編)」
昨年度より日本の食文化・おせち料理をテーマに「おばあちゃんのレシピ」の収集に着手、
Youtubeにて動画を配信し若者・海外の人々に向けて情報発信を行っている。
・藤本 智子氏(ミソガール・ジャパン味噌プレス編集長)
「ミソガール発・手作りの即席味噌汁」
将来母親になる若い女性を主なターゲットとして「味噌でキレイに」をキーワードに、
オリジナルの即席味噌汁「みそまる」を考案する等、味噌の素晴らしさを伝えていく取り組みを
行っている。
・宮坂 公美氏(宮坂醸造株式会社 蔵元夫人)
「日本酒と郷土料理の保護・継承」
ブログ『宮坂家の食卓』等を通じ、和食の魅力の一つである日本酒の蔵元として日本酒をはじめ
郷土料理や家庭で食卓を囲むことの重要性を伝える取り組みを行っている。
・奥井 隆氏(株式会社奥井海生堂 代表取締役)
「蔵囲い昆布とは」
明治四年から続く昆布商の主人として菊花昆布に代表される昆布細工等、職人の技を守り継承して
いる。“食は身と心を養うもの“の精神を大事にし、日本国内をはじめ海外にでも講演を行う等、
日本の食文化の継承と発展に積極的に取り組んでいる。
・齋藤 章雄氏 (日本料理店「しち十二候」代表・総料理長)※VTR出演
「海士町の保護・継承への取り組み」
ユニークで自然、素材、文化等精神性を大事にした人材育成を目指し、「寺子屋」的な育成機能を
持った、日本料理の文化と真髄を学ぶ世界初の「職人養成塾」の創立を島根県海士町と協力し、
企画している。
15:20 休憩
15:30 ワークセッション
参加者と各登壇者との情報共有・相互理解を深めるトークセッションや、宮坂醸造の日本酒
「真澄」の試飲、奥田政行氏(アルケッチャーノ・シェフ)の「庄内焼き畑由来の野菜の
ピンチョス」試食、奥井海生堂の「蔵囲い昆布」を使っただしの試飲、藤本氏による「みそまる」
作り体験を実施。
16:15 閉会挨拶(山本真砂美 全国「和食」連絡会議 副議長)
16:30 閉会
【内容】
熊倉功夫会長 挨拶
全国「和食」連絡会議の位置付けや意義についてお話がありました。
服部幸應議長 挨拶
12月4日の重要性や「1204和食セッション」の目的と意義についてお話がありました。
登壇者活動事例発表
・江頭 宏昌氏(山形大学教授)
「庄内の伝統焼畑農業の持続的取り組み」
山形県の在来作物は177あり、農家の努力によってそれらが今日まで継承されてきたことや、従来とは異なる新しい食材としての価値観が生まれてきた事、焼畑の多様な利点についてご説明頂きました。「アル・ケッチャーノ」オーナーシェフ奥田政行様、焼畑農業従事 後藤勝利様ご夫妻にもご同席頂きました。
・中村 優氏(40creations代表、TEDxTokyo yzスピーカー)
「おばあちゃんのレシピ(おせち編)」
おばあちゃんのレシピを収集することへの思いと、その土地、その状況の中でおばあちゃんたちが作ってきたレシピの数々を動画とともにご紹介頂き、おばあちゃんひとりひとりの人生がレシピの中に詰まっているというお話を頂きました。
・藤本 智子氏(ミソガール・ジャパン味噌プレス編集長)
「ミソガール発・手作りの即席味噌汁」
「ミソガール」として活動を始めた経緯や、開発した「みそまる」についてご説明頂きました。味噌を普及させるため、F1や7人制ラグビーとコラボレーションするなど、新たなフィールドで展開する活動の様子をご紹介頂きました。
・宮坂 公美氏(宮坂醸造株式会社 蔵元夫人)
「日本酒と郷土料理の保護・継承」
諏訪と真澄の歴史や、日本酒を多くの人に楽しんでもらうためにお酒を呑む場や食卓の提案をするなど、工夫を重ねてきた取り組みについてご紹介頂きました。
・奥井 隆氏(株式会社奥井海生堂 代表取締役)
「蔵囲い昆布とは」
昆布の種類と特徴、流通の歴史、藏囲い昆布とは何であるかをご説明頂きました。収穫後すぐに出荷するのではなく、蔵で大事に寝かせた昆布からとっただしは色の違いも明確でした。
・齋藤 章雄氏 (日本料理店「しち十二候」代表・総料理長)※VTR出演
「海士町の保護・継承への取り組み」
ご多忙によりご欠席のためビデオメッセージをお送り下さいました。また、世界初の日本料理の「職人養成塾」への思いをパネル展示にてご紹介下さいました。
ワークセッション
参加者と各登壇者との情報共有・相互理解を深めるトークセッションや、宮坂醸造の日本酒「真澄」の試飲、奥田政行氏(アルケッチャーノ・シェフ)の「庄内焼き畑由来の野菜のピンチョス」 試食、奥井海生堂の「蔵囲い昆布」を使っただしの試飲、藤本氏による「みそまる」作り体験が実施されました。