10月26日(土)・27日(日)、台湾・台北で開催された食育イベント「遊農食」~食と農業を楽しもう~(主催:大享食育協会)に、三信化工株式会社様と共同で出展を行いました。
台湾では、2022年に「食農教育法」(日本の「食育基本法」に相当)が施行され、国を挙げて食育に対する取組が強化されています。本イベントの主催者である台湾の非営利社団法人「大享食育協会」は2018年に発足し、①学校給食・②持続可能な食事・③食育等を焦点に、児童の飲食に対する配慮を提唱する活動を行っております。
台湾国内では食育に加え、学校給食コンテストを2018年より開催、また日本・韓国などの食育推進組織や小学校・自治体との交流を積極的に行うなど、献立の品質向上に向けた活動を幅広く実施しています。
本イベント「遊農食」は、新たな取組として今年初の開催となりました。子どもたちに対する食育の効果的な伝達手法を学ぶために、12の企業・団体(台湾8・日本4)が展示やワークショップ等を行い、台湾の食育関係者・栄養士等を中心に、一般の親子を含め2日間で約400名が来場しました。
当団体の展示コーナーでは、和食の基本である「だし」の理解を一層深めていただくことを目的とし、体験および動画による情報提供等を行いました。具体的には以下の通りです。
①「だし素材」の現物を展示(こんぶ・かつおぶし・削り体験あり)
②「だしの引き方」動画の上映
③「だしで味わう和食の日」チラシ配布
参加者からは、驚きの声など多数の感想をいただきました。
⑴かつおぶし:
「お好み焼きで馴染みがある」「削る前の実物は初めてだが、匂いですぐに気づいた」「こんなに硬くて本当に食品なのか」「うまく削れず難しい」
⑵こんぶ:
「おいしそうな、いい匂いがする」「この匂いは苦手」
⑶だしで味わう和食の日:
「日本全国で15,000校以上が参加していることが凄い」「11月24日(いいにほんしょく)和食の日があることを初めて知った」
⑷その他:
「家で子どもがあまり魚を食べてくれない。関心を持つよいきっかけになった」
台湾はもともと多民族国家であり、加えて地理的環境・外国人労働者受入政策等の各種要因により、複雑で多様な飲食文化が形成されています。和食も飲食店のみならず一般家庭や学校給食に普及しており、後者においては、味噌汁をはじめとした和食献立が定期的に提供されています。
一方、日常的に使われる材料は、だしパックや顆粒だしであり、実際にどんな素材が使われているのか、本物に触れることは食育の一環であると同時に、和食文化への更なる理解促進・関心につながるものと実感いたしました。
現状、当団体における和食文化の保護・継承活動は、日本国内を主な活動の場としておりますが、このような機会があれば今後も積極的に海外へ発信を行っていきたいと存じます。
最後に、本イベントを初開催するにあたって大変なご尽力をされた大享食育協会の事務局スタッフの皆様および、出展にご支援を頂いた三信化工株式会社様に厚く御礼申し上げます。謝謝。
【イベント全体の様子】