2025年 全国「和食」連絡会議 第10回交流会 「1204和食セッション」~次代に繋ぐ和食の集い~ 開催報告(12月4日)

12月4日(木)、全国「和食」連絡会議第10回交流会「1204和食セッション」~次代に繋ぐ和食の集い~が、千代田区の秋葉原UDXで開催されました。この「1204和食セッション」は和食文化の保護・継承に関して、和食会議の会員と全国で同じ志を持って活動されている会員以外の方々が情報を共有し、連携することによって、それぞれの行う和食文化の保護・継承活動を国民運動に発展させていくよう「和食」がユネスコに無形文化遺産として登録された2013年12月4日にちなみ、2015年より毎年12月4日に開催しています。
 本年の参加者は会場77名、オンライン42名の119名でした。13:30に開会、全国「和食」連絡会議の辻󠄀議長による開会宣言、来賓代表のご挨拶があり、その後2つの講演、伝承技術者表彰、ワークセッションが行われました。

概要
パート1.開会宣言、来賓紹介、来賓代表挨拶
●はじめに辻󠄀議長の開会宣言では「1204和食セッション」開催の目的やプログラムの紹介がありました。
●来賓として、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室長牧之瀬泰志様、勝野美江様、湯山貴美様がご出席くださいました。来賓代表として牧之瀬食文化室長よりお言葉をいただきました。開催にあたっての祝辞のほか、11月から始まった官民協働による新たな和食普及プロジェクト「楽しもう!にほんの味。~和のこころをつなぐ食の国民運動~」(略称:楽し味(たのしみ)プロジェクト)のご紹介がありました。

【辻󠄀議長】
【農林水産省 牧之瀬室長】

パート2.講演「日本酒学が拓く和食文化の未来-伝統と革新のグローバル展開―」
●新潟大学日本酒学センターの岸センター長より、日本酒学とは何か~文化・科学・歴史をつなぐ学際領域~、世界で広がるSake市場~輸出と海外生産の現在地~、日本酒の価値づくり最前線~原料・技術・文化の新展開~という3つのテーマでお話しをいただきました。日本酒に関する幅広い内容で、ご参加の皆さまも興味深く聴講されていました。

【岸 保行 様】

パート3.講演「AIの時代に、食が教えてくれること」
●私立新留小学校設立準備財団共同代表の古川理沙様より、食が認知主体性→コミュニティ→環境をつくっていくこと、0歳から10歳までの食育が大切であること、地域コミュニティにおける学校の重要性などについてお話しをいただきました。保育園児でも日々回数をこなし、慣れていくことで調理ができるようになる事例などもご紹介いただき、子供たちの無限の可能性を感じられる内容でした。鹿児島で40年ぶりの学校設立に向けて皆さまもご支援をお願いします。

【古川 理沙 様】

パート4.伝承技術者表彰
●技術を伝承する人が減っている分野の技術者を表彰する「伝承技術者表彰」では、衰退が懸念される琵琶湖の漁業に関わり、活性化をすすめておられる 有限会社ヤマサ水産 西居希様を表彰しました。村田副会長より「京料理に琵琶湖の魚は欠かせない。若い西居さんに琵琶湖の漁業を支えて行ってもらいたい」とのご紹介のあと、表彰状の授与と西井様から「漁師の皆さんを始め関係者の方々に支えられて仕事に取り組んでいる。これからも琵琶湖の魚を広めていきたい」とのお言葉をいただきました。

【表彰式】
【西居 希 様】

パート5.ワークセッション
●本年のワークセッションでは、「新潟大学創立75周年記念日本酒:六花の杜」、志賀県の「竹生嶋 純米大吟醸 近江産渡船」、兵庫県の「菊正宗 雅 特別純米 生酛 兵庫県産山田錦」、福島県の「奈良萬 純米生貯蔵酒 五百万石」4種類の日本酒の試飲。ヤマサ水産様の琵琶湖の湖魚を使った「小鮎醤油煮」「さんしょうごり」「酢もろこ(本諸子の素焼き甘酢漬け)」「めずし(ハス熟寿司)」「鮒寿司」5品の伝統食試食。私立新留小学校設立準備財団の活動紹介がおこなわれました。ご参加の皆さまは日本酒と琵琶湖の伝統食の相性のよさを実感されながら交流を深められ、終了予定の16:30を過ぎて16:50の閉会となりました。

【ワークセッション】
【日本酒試飲】
【郷土食試食】
【新留小学校設立準備財団】