株式会社奥井海生堂 代表取締役で技・知恵部会副部会長 奥井隆様が、この4月5日に、ニューヨークの日本人クラブにて、「昆布」をテーマにした講演をされました。以下の通りご報告を頂きました。
ニューヨークのマンハッタン中心部にある、日本クラブの今年の日本食文化イベント第1弾に「昆布」を取り上げて頂き、弊社へそのお誘いを頂きました。
前日には、C.I.A.(カリナリー・インスティチュート・オブ・アメリカ)からも昆布の特別授業の依頼を頂きました。世界中から学生の集まるアメリカ最大の料理学校です。大変名誉なことでした。
5年前の「和食」のユネスコへの無形文化遺産登録以来、一気に、和食ブームが、世界中に到来しています。アメリカにも同じように和食ブーム、うま味ブームが来ているのでしょう。
C.I.A.では30名ほどの予定が70名近く受講、教授も何人か聴講して頂きました。
世界各国から来ている学生たちの昆布への関心は高く、1時間の講義後、30分も質問攻めに会いました。
アジアの調味料や日本の発酵食品が専門の教授からは、ぜひ来年も、もっと大きな教室でやって欲しいと嬉しいオファーを頂きました。
和食ブームの広がりは、想像以上でした。そして、4月5日は、今回の目的である日本クラブでの講演会です。
我が国の4大銘柄といわれる昆布のうち、利尻昆布、羅臼昆布、山出し昆布の3種類を準備しました。それぞれ特徴的なだしが前日からの準備でよく引きだされました。
更に、和食の中心であるご飯についても、62年前に福井県農業試験場が品種登録した「コシヒカリ」。昨年それを超える「いちほまれ」という品種が20万種の中から自然交配で誕生しました。
この「いちほまれ」を、私の講演後の会席料理の中で楽しんで頂きました。海外ではニューヨークが初披露でしたが、お客様にはとても美味しいと喜んで頂きました。
講演会には著名なシェフの方がたもお見え頂きました。
モナコの「ルイ・キャーンズ」の元シェフやニューヨークフォーシズンズホテルのエグゼクティブシェフ、料理評論家の方々もお見えで、54名、会場いっぱいで、大盛況でした。
「蔵囲昆布」の独特な甘みがプロの方々に好評頂きました。世界でも特異な「うま味」を中心とした和食、その「うま味」の抽出や楽しみ方がまだ知れ渡っていないようで、高い関心のわりに正しい情報が少ないようでした。
昆布のいろいろな側面を紹介する講演会は想像以上に喜ばれました。
こうした活動が、和食に対する正しい知識とおいしさを広げるものだと感じ今後も、取り組んで参りたいと思います。