平成28年2月15日(月)、皇居外苑楠公レストハウスにて第四回普及・啓発部会が行われました。
【会議次第】
14:00 開会 和食文化国民会議会長 熊倉 功夫
14:05 講演「だしのお話(前編)」 部会長 伏木 亨
事業計画1-③本格的なだしを普及させるためのコラボレーションの第1弾
伏木理論とだしの実演
14:30 一般社団法人和食文化国民会議発足一周年記念講演「和食とは何か」
和食文化国民会議会長 熊倉 功夫
15:30 休憩
15:40 講演「だしのお話(後編)」 部会長 伏木 亨
だし実演~試食
16:20 普及・啓発部会 各事業報告 幹事
16:50 閉会
懇親会
17:00 開会
17:00 お料理の説明 監修、調査・研究部会長 江原 絢子
17:15 乾杯 部会長 伏木 亨
19:00 閉会
【内容】
<伏木部会長 講演「だしのお話(前編)」>
昆布とかつお節を用いた合わせだしを、伏木メソッドの解説とともに実演しました。伏木メソッドでは、水に昆布を投入して加熱し、65℃で60分間保持した後昆布を引き上げます。その後95℃に温度を上げてかつお節を投入し、2分間置いた後、かつお節を濾して塩、うすくちしょうゆで調味して完成となります。今回は、この伏木メソッドに基づきながら、硬度の異なる水3種類(20mg/L、50mg/L、80mg/L)を用いてだしをとり、どのような違いが現れるかを比較するとそれぞれに大きな特徴が認められました。
<熊倉会長 講演「和食とは何か」>
和食とは何か、という問いに対して、和食とは料理一つ一つの分類ではなく、文化であるということ、和食の根底には自然の尊重があるということを伝えました。和食文化の4つの特徴が「多様で新鮮な食材と素材の味わいを活用」「バランスがよく、健康的な食生活」「自然の美しさの表現」「年中行事との関わり」であることなどを説明しながら、箸と椀にみられるような日本人の持つ感性、現代における米食の現状などを解説しました。また、国内における文化財保護の対象としての和食の位置付けを求める重要性を伝えました。
<伏木部会長 講演「だしのお話(後編)」>
伏木メソッドに基づき、硬度の異なる水3種類を用いてとっただしを参加者に配布し、塩分の役割やだしの香りの組成、うま味成分の分析結果について解説を交えながら試飲しました。普段あまり経験する事のない条件でとっただしの味わいに、参加者からは大きな関心が寄せられました。
<普及・啓発部会 各事業報告>
各事業リーダーから報告がありました。
・今年度は計4回の普及・啓発部会を実施。次年度も3ヵ月に1回部会を計画
・メーカー等と料理人のコラボレーションは次年度の課題
・本格的なだしの普及に向けて「1124和食の日」を盛り上げる啓蒙活動を継続
・郷土食体験ツアーの実現を進める
・部会員同士のコラボレーションを推進
・国民が和食文化に親しむ機会の創出・拡大のため、国や民間が行う普及啓発事業との連携を継続
・アンケートにより会員が独自に行っている活動を把握し、会員間のマッチングを提案する
<懇親会>
江原調査・研究部会長監修による、江戸時代の料理書を参考に、エコ・クッキングのアイデアを取り入れて季節に合わせて作られた「江戸エコ行楽重」を頂きながら、会員間の交流を深めました。