「和食」のつぼ

盛り付け
−和食の盛付けの特徴2− 彩りと季節感

     和食には「五味」「五色」「五法」というものがあります。それを食べ手は「五感」で感じて味わいます。
     「五味」とは、「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」です。この五味が食材と混ざり合い、味わいになっていきます。
     「五法」というのは、5つの調理法。「切る、焼く、煮る、揚げる、蒸す」です。これらを組み合わることで、味わいに深みが出てきます。
     そして「五色」です。「赤、青、黄、白、黒」。
    これらを組み合わせることで、料理がおいしそうに見えるようになります。
     例えば、蕪の白和えを盛付けてみます。(写真1) このままでは真っ白で、少し殺風景です。
     そこに、ザクロで赤色をたしてみます。(写真2) 少し変化が現れたと思います。

     次に、チャービルを小さくちぎってのせてみます。(写真3) そうすると、最初とずいぶん印象が変わったのではないでしょうか。
     このように色をたして組み合わせていくことで料理がおいしそうに見えるようになります。ただ、色には強さがあります。鮮明な色の力はとても強く、淡い色の力は弱いのです。
    ここでいう淡い色は白和えの白。鮮明な色はザクロの赤です。ですので、色のバランスを合わすには、淡い色の量を多く、鮮明な色の量を少なくしないとバランスが崩れてしまいます。その色が目立ちすぎるのです。(写真4) 

     暖色系は秋に使う色、寒色系は夏に使う色。夏に暖色系が多いと暑苦しく感じ、秋に寒色系が多いと寒々しく感じます。彩りだけでも季節感が表れてきます。
     ここに秋らしい器の要素を加えて盛付けるとこのようになります。(写真5) 色づいた紅葉をおくことで、より秋らしさを感じていただけるのではないでしょうか。
     少し強引ではありますが、同じ食材をガラスの器に盛付けてみます。そして、青紅葉をおいてみると、内容は同じでも、夏を感じる料理になっていきます。(写真6) 

     盛付けとは不思議なもので、同じ料理であっても、器や彩りを変えるだけで、印象やイメージが大きく変わっていくのです。

    園部 晋吾

    次回は、12月16日です。