「和食」のつぼ Vol.2

水 
−料理と水②−

    和食は「水の料理」と表現されるほど、その繊細な味わいには水が大きく関わります。

    そして和食にとって欠かせない存在が、味のベースとなる出汁。

    出汁と水の関係は深く、同じ材料を使っても、水が変われば出汁の味わいも変化します。

    これには水の硬度が関係しており、軟水は出汁の旨味が出やすく、硬水は旨味が出にくいといわれています。

    日本の水はヨーロッパなど他の国と比べて硬度が低い傾向にあるため、出汁の旨味が出やすい水です。以前、和食料理人の方から「海外で料理をする時は日本から軟水を運んでいる」と伺いました。水が変わると出汁の味が変わってしまうため、使い慣れた日本の水が必要なのだといいます。

    ただ、日本国内でも地域によって水の硬度は異なります。関東は硬度が高いため出汁の旨味が出にくく、関西は硬度が低いため旨味が出やすい傾向にあります。

    京都の料理人の方が「東京で料理すると、同じ昆布を使っているのに出汁の味が全然違う」と悩んでいたという話をお伺いしたことがあります。これには関東と関西の水の違いが関わっていますね。

    下のグラフは、東京都の水道水と三重県の水道水で、いりこ出汁の旨味がどう変わるかを味覚センサーで計測した結果です。(当社調べ)

    計測に使用した東京都の水道水の硬度は69.7、三重県の水道水の硬度は30.2です。

    同じ原料・方法を使っても、水の違いだけで、出汁の味わいが変わることをお分かりいただけるかと思います。

    もちろん出汁だけでなく、和食の多くの部分に水は関わります。

    お米を炊く、お茶を入れる、みそ汁を作る、食材を煮る・蒸す・茹でる・・・

    「水も調味料の一つ」という方もいるほど、水は料理の味に大きな影響を与えます。

    皆さんも和食を作る際、食材だけでなく、水にもこだわってみてはいかがでしょうか?

    三菱ケミカル・クリンスイ株式会社

    参考

    https://www.nature.com/articles/s41598-021-92949-8

    https://tg-uchi.jp/topics/2829

     

    次回は、9月1日を予定しております。