「和食」のつぼ Vol.2

水 
−料理と水①−

    皆さんは軟水と硬水の違いをご存じでしょうか?

    軟水・硬水という言葉は広く知られていますが、違いをはっきりと分かる方は実は少ないのではないかと思います。

    日本の水はヨーロッパなどの他の国と比べて硬度が低い傾向にあり、このことが和食文化の発展に大きく寄与しているといわれています。今回は、知っているようで知らない「軟水と硬水の違い」についてお話しさせて頂きます。

    水は、その硬度によって軟水~超硬水に分類されます。

    硬度とは、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を、これに対応する炭酸カルシウム量に換算したものです。

    軟水・硬水の分類には様々な基準がありますが、WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは以下のように定められています。

    区分

    硬度

    軟水

    60mg/ℓ未満

    中程度の硬水

    60120mg/ℓ

    硬水

    120180mg/ℓ

    超硬水

    180mg/ℓ以上

    日本のほとんどの地域で、水道水の硬度は100/ℓを下回ります。

    (出典:(公社)日本水道協会「水道水質データベース 令和元年度水質分布表(給水栓水)平均値」)

    一方、ヨーロッパの水は日本よりも硬度が高い傾向にあります。これは、ヨーロッパでは雨や雪が時間をかけてミネラル豊富な石灰層を通り、ろ過され、ミネラル分が地下水に多く溶け込むためです。

    コンビニエンスストアなどで見かける、ヨーロッパを水源としたミネラルウォーターは硬度300mg/ℓ以上のものもあるので、日本の水との違いが分かりやすいですね。

    ちなみに、日本水道協会が運営する「水道水質データベース」では地域ごとの硬度を調べることが出来ます。ご自宅の水道水の硬度が知りたい場合はぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。

    冒頭で、日本の水は硬度が低いからこそ、和食文化が花開いたとお伝えしました。次回は、和食と水の関係についてお話しさせて頂きます。

    三菱ケミカル・クリンスイ株式会社

    参考

    https://www.nature.com/articles/s41598-021-92949-8

    https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/02.html

    https://www.city.saijo.ehime.jp/site/mizunorekishikan/lineup8-2-1-2.html

    次回は、8月17日を予定しております。